減らない白アリ被害

白アリの被害にあいやすい場所として、水場や玄関、ウッドデッキなどがあります。

写真は以前白アリ被害にあった玄関部分を床下から撮った写真になります。

床上では異常はないように見えていましたが、床下では床を支えている木材がボロボロな状況でした。

白アリは湿気ているところに出るものとか、浴室など水回りに出ると思っている方が多くいます。

確かに湿気を含んだ木材を好んで食害するので比較的に被害が多い場所です。

しかし、最近の住宅はユニットバスが主流で浴室の下が通気が良くなっていることや、ベタ基礎工法で土間打ちされていることもあり、以前の住宅と比較して湿気が少なく発生は減ってきています。

そうした中で、白アリの被害は未だに多く発生しているのが玄関で、他の場所と比較しても湿気が多い場所ではないように見えますが、かなり被害の多い場所になっているのです。

様々な工法が取り入れられて高性能な住宅が増えています。

しかし、日本の湿度の高さや気温は白アリや害虫、または菌類にとっても発生し易い環境のため簡単には解決しない問題なのです。

特に高気密高断熱住宅では光熱費の削減や快適な居室空間を得ることができる素晴らしい住宅ですが、それだけに危険も多くあるので注意が必要になってきます。

これまで多くの設計士さんたちが色々と知恵を振り絞って考えて対策を講じてきていますが、自然環境の力や害虫や菌類の生命力はそれを超えてきます。

特に思うことは、家を設計する能力は高くても害虫や菌類に対しては体験・経験が少なく専門分野ではないため、どうしても私たち消毒業界からみたら対策が出来ていないように見えてしまいます。

また、最近は高性能ばかりが先行してメンテナンス性が全く考えられていない住宅も多くみかけます。

「もし雨漏りしたら」「もし白アリの被害にあったら」どうするのか?

長く住んでいくわけですから、どうしても色々な部位で経年的にも劣化が起こるものです。

その時にちょっとした劣化に、大掛かりな修繕が必要になってくるようでは困るのではないでしょうか?

新築住宅を建てる時や中古住宅を購入する際には、施工の質やメンテナンス性をよく確認しておくことが大切だと思います。

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