住宅の定期健診をしましょう

本日は藤枝市のお客様宅へ床下点検に伺いました。

床のたわみが気になるとの事で床下を確認すると、以前白アリの被害で床を支えている木材(根太)が激しく食害されてしまった場所でした。

木材を触ると中がスカスカで全く強度はなく、これでは床に掛かる力を受け止めることはできません。

以前はあまり気にならなかったようですが、最近気になるようになったとのことです。

日々、歩くことで床板には振動が起こります。

その振動を繰り返すうちに接着剤が剥離したり木の繊維が切れてしまい、合板のパネルやフローリングなどは経年劣化で強度を失っていきます。

また、白アリや湿気による強度低下、カビなどの発生によっても木材の強度が低下して、たわみなどの事象を引き起こしたりします。

白アリは年輪(茶色の部分)を食べないので、その部分を残してスカスカな状態になるまで食べていきます。

それにより木材は強度低下を引き起こしますが、木材は薄い年輪だけの状態になるとスポンジと似たような状態になり木材の表面積が増えていまい、その結果、空気中の湿気を多く吸収してしまうい、さらに強度の低下を早めることになります。

たわみを放置すると、やがて振動が大きくなり、周りの健康であった木材にまで影響を与えてしまうので、小さな振動であっても早めに補修・補強をすることが望ましいです。

白アリが発生してしまった住宅で駆除をすると多くの方に安心して頂きます。

しかし、白アリの駆除はできても被害にあってしまった木材が元の強度に戻るわけではないので、補強をしなければ本当の意味では住宅の耐震性で安心はできません。

また、高齢化や空き家率が高まる近年、住宅の資産価値を高めておくことが大切になりますが、白アリの被害にあってしまった住宅の資産価値は、よほど立地が良くなければ厳しいものになると考えられるので大きな損害となってしまいます。

長期優良住宅とか高気密高断熱住宅、耐震住宅などと、どんなに高級な住宅を建てても何もしなければ必ず劣化してしまいます。

そうならない為にも、定期的な点検をして住宅の劣化事象を見逃さず、雨漏りや白アリの被害に合わない対策をとっていくことが大切なのではないかと考えます。

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