住宅診断
束石が劣化している
本日、床下の点検を行っているとき、束石が結晶体に覆われているのがわかりました。
これは土壌中の硫酸塩の含有率が一定以上高い場所で、雨水により溶けた硫化イオンによって発生する針状結晶というものです。
この現象が起きると微細破壊を起こしてコンクリートはボロボロと砕けて強度が低下していきます。
最終的には束が宙に浮いた状態になり本来の役割が果たせなくなります。
束が利いていないことで問題となるのが床のたわみで、最終的には床材の劣化を早めてしまうことになります。
今日のお宅では土壌に防湿シートが敷いてあり一見すると湿気もなく問題がないように見えますが、防湿シートは土壌の湿気を床板に与えないことが目的なので、針状結晶の対策にはなりません。
逆に言えば土壌の湿気を閉じ込めて乾燥することができないためにコンクリートが硫化イオンを含んだ水分を吸ってしまっているとも考えられます。
このような現象が起きていたら建物に影響を与えてしまう前に早めの対策が大切です。