住宅診断

断熱材の取付

本日、建物点検に伺ったお客様宅で、浴室と洗面所との堺の基礎に設けられている人通口に、断熱材が設置されて塞がれている造りになっていました。

数多くの床下を診てきましたが、多くは断熱材などで仕切られてなく浴室下が見渡せる形が普通です。

おそらく床下の冷気によって浴室内が冷やされないことを目的として設けられたものだと思います。

住宅の断熱工法には色々とありますが、一般的には床に断熱材を設ける床断熱工法が採用されています。

しかし、浴室(ユニットバス)には断熱材を取り付ける床組み材がないため、殆どの場合は断熱がとられていません。

そのために、床下の冷気によってユニットバスが冷やされてしまうのですが、殆どは何も対策がされていないのが実情です。

そうした中で断熱材で冷気を遮断させることを思いつき、それを取り入れた建築会社は先進的で素敵だなと思います。

しかし、その断熱材には穴が空いていたり断熱材を切って繋ぎ合わせた隙間が出来ていて、これでは冷気が流れ込んでしまい、せっかくの断熱がとれないので残念です。

とは言っても断熱材の適切な施工方法を理解している人は少なく、これまでの住宅の殆どと言っても過言ではないくらい間違った施工がされていると言われてます。

近年、省エネ住宅が注目されるようになり、最近になってようやく断熱の必要性や正しい施工方法が認知され始めている状況です。

2025年には断熱性能等級4が新築時において義務化されますが、果たして正しい施工がどこまで徹底されるようになるのか心配になるところです。

そうした不安やトラブルを解消するために第三者のインスペクション(住宅工程検査)を入れることが大切な気がします。

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