シロアリ

断熱住宅は大丈夫?

本日は、いつもお世話になっている工務店様のご依頼で白アリ調査に行ってきました。

築80年以上経過していて、これまでにリフォームをしながら大切にしてきたそうですが、玄関に白アリの食害を見つけてしまい心配になり工務店様に調査を依頼したとのことでした。

調査では床下の全域を確認することができませんでしたが、玄関付近には蟻道が確認できたので、確認できないエリアでの被害が心配されます。

この当時の建築はコンクリートによる布基礎ではなく石の上に土台を据えてあるだけで、地面から木材までが近いために湿気やすくシロアリの危険性が高い構造と言えます。

100年以上経過した多くの寺社仏閣もこのような造りになっていますがシロアリの被害にあっておらす、むしろ現代の住宅の方が被害にあっているのが現状です。

昔より遥かに技術は進歩しているはずなのに何故改善されないのか?

その大きな理由は床下の高さと通気にあると考えられます。

地震が多い日本では建物が倒壊しないように耐震性を高める構造へと進化してきましたが、その結果コンクリートに鉄筋を入れた基礎で建物を支える構造になりました。

そんために床下の通気が取れなくなり空気が淀むことでカビによる腐朽やシロアリの被害が増えてしまったと考えられます。

川の水も流れが止まると藻が生えて腐るのと同じように、空気が流れないとカビが生えて建物を腐らせてしまいます。

近年は地球温暖化対策として、エネルギー消費量を減らす高気密高断熱化へと各社が競っていますが、基礎に断熱材を巻くなど、床下の通気を減らす方向に進んでいることが今後どのような劣化を招くのか心配です。

どこのシロアリ業者も被害に対して保証を設けていますが、恐らくどこの会社も基礎断熱構造に保険は適用されていないのではと思います。

簡単に言えば、それだけ危険だということなんです。

快適な空間で光熱費も掛からない理想的な住宅ですが、それを享受していくにはしっかりとした維持管理をしていくことが必要だと思います。

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