壁内雨漏りが増えている
本日は、焼津市のお宅へシロアリ調査に行ってきました。
近年の建物は床下がベタ基礎コンクリート造になりシロアリの被害にあいにくい構造に改善されていますが、古代から生存すると言われているシロアリだけに被害にあってしまう建物は後を絶ちません。
そして、以前の建物とは違って断熱性能や気密性能を高めているので一度侵入されてしまうと、その被害も大きくなる傾向にあるように感じています。
また、使われている木材も集成材やベイマツなどの防蟻性の低い木材が多く使われるようになっているので、見た目よりも脆弱にさえなっているように思います。
今日のお宅では白アリ被害が確認できましたが、それと合わせて黒アリの巣も作られていました。
巣が確認された周辺の土台には水が入った水染み跡があり、恐らく外壁の劣化による壁内の雨漏りが原因で腐朽した木材を好む黒アリが巣作りをしたものと思われます。
昔の雨漏りは屋根からというイメージでしたが、外壁にサイディング材が使用されることが一般的になるにつれて、雨漏りは壁内に多く見られるようになりました。
そのために気が付きにくく柱や土台などの主要な構造材の腐朽やシロアリの被害が増えていると思います。
近年、耐震性能や断熱性能そして美しい仕上げ材で目に見える建物の性能は向上しています。
その反面、経年劣化や目に見えない所に対する対策が見落とされがちになっているようにも感じています。