住宅診断
2000年以前の家屋は危ない!
本日は吉田町のお客様宅へ建物定期点検に伺いました。
点検では幅も長さもある基礎のひび割れが確認できました。
これは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で構造耐力上主要な部分に瑕疵が存ずる可能性が高いとされるひび割れに相当するレベルです。
お客様に報告させて頂くと、お客様がセメント等でなんとかしてみるとのことでしたが、表面を塞げば良いというものではなく適切な補修が求められます。
ひび割れは基礎の強度を著しく低下させてしまう問題と、設計段階や施工での構造的な問題などが考えられるので、ひび割れを塞ぐという簡単な話ではないのです。
今回の能登半島地震では現在で232名の方がお亡くなりになり多くの家が倒壊しました。
犠牲者の多くは家屋の下敷きになどの圧迫死だと報告されています。
倒壊した住宅は1981年以前の旧耐震基準に建てられた家屋だから倒壊されたと思われている方もいると思いますが、金沢大学の村田晶助教の現地調査によると珠洲市正院町の木造家屋約100棟のうち約40棟が住居不能な全壊状態に見舞われて、そのうち半数が1981年以降に建てられた新耐震基準の家屋だったそうです。
これまで1981年以前に建てられた旧耐震基準の家屋は地震に弱いとされて、補助金を出して国が耐震化を進めてきたことで旧耐震の家屋は減ってきています。
しかし、その反面に新耐震基準の家屋であれば耐震性には問題ないと思われてしまった方が多くいるのではないでしょうか?
実は阪神大震災(1995年)で倒壊した家屋の調査から2000年に耐震基準は大きく変わっています。
今回の能登半島地震は他人事ではありません!
補助金があるなしに関わらず2000年以前に建てられた家屋の方は、是非、耐震診断を行ってみて欲しいと切に願います。