繰り返される浸水被害

静岡市内の工務店様より「先日の台風15号により床上浸水した賃貸アパートで和室の改修工事を行っていたら、荒床に白アリがどっさり出てきたから直ぐに来て欲しい」との依頼を受けて、10/5に調査を実施し改修工事の兼ね合いで本日、白アリ駆除工事となりました。

既に和室は洋室へと改修済みで、白アリ駆除作業は床下と壁内への薬剤散布を行いました。

本来であれば床上浸水でしたから、感染症対策で床下及び室内の除菌施工、白アリ発生箇所は内壁を剥がしてもらい被害状況の確認後、改修又は壁内の白アリ駆除までを最低限実施したいところでしたが、大家さんの都合などもあり今回の工事段取となりました。

調査の際に工務店様から少し話を伺ったところ、この地区は今回に限らず比較的大きな台風の度に床下浸水の被害に合っているそうです。

この賃貸アパートの調査ではそれを物語るように、床下の床組や断熱材・基礎に湿気やカビの発生が多く見られました。

こうした環境が白アリの発生した原因にもなっていると予想されます。

浸水被害のたびに清掃~乾燥~感染症対策~防腐防蟻対策などを行うことになりその度に復旧に費用が掛かるので経済的にも精神的にもかなりの負担になっているようです。

今回の被害では行政の対応の遅さが問題になっていますが、本来はスピードが一番に求められるものだと思うので、災害に力を入れている静岡県と認識していたのでその脆弱さには恐ろしさを感じてしまいました。

高齢化社会の現在において自分の力だけでは何とも出来ない方たちが多くいます。

また保険会社に加入していても補償は床下では適用されないようです。

熱海の土砂災害でも行政の対応には疑問を感じざるえませんが、それだけに机上の防災ではなく災害難民をつくらないよう復旧にかかる費用の支援など行き届いた手厚い支援をお願いしたいと思います。

気候変動によるものなのか、どちらにしても雨の降り方が昔と違ってきているので、地域によってはこの先のことを考えて住み替えも検討する必要もでてくるのかも知れないので、これを機会に行政にはしっかりと対策を講じて欲しいと思います。

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