害虫はどこからでも侵入してくる

今日伺ってきた建物点検の際に、床下にクモの巣や虫の死骸等が目立つことを伝えると、その虫はどこから侵入してくるの?とご質問をいただきました。

以前の住宅は基礎に通気を取り入れるための開口部を設けていたので、そこから多くの害虫やネズミなどが床下へと侵入するのだろうと想像されていたようですが、近年の住宅では基礎パッキン工法が主流となり基礎に開口部がないことから侵入する場所がないと思われているようです。

しかし、実際には建物には害虫が侵入できる程度の隙間はどこにでもあります。

特に基礎と土台の間に入れる基礎パッキンには通気のための隙間が設けられているので、建物全周に害虫が侵入できる隙間があります。

石や鉢などを動かすとダンゴムシやヤスデ、ナメクジなどがいるのを見かけたことがあると思いますが、害虫の多くは日光や風通しの良いところ嫌うため、それを避けられる場所に移動しますが、それと同じように家は大きな鉢のようなものなので、陽が当たらず通気の悪い床下へと侵入してくることは、ごく普通の現象なわけです。

また、害虫は高温を苦手とするので今年の夏のように気温が高くなると、少しでも気温が低い床下などに移動してきますし、秋口になると越冬するようなゴキブリなどは寒さを凌ぐために少しでも暖かいところ寄って床下へと侵入してきます。

5年毎にシロアリの予防をされていれば薬剤の効果で害虫は生息ができませんが、何もしていなければ害虫の温床となってしまい、年数の経過とともに建物全域に生息が始まってしまうことになります。

因みにゴキブリの生息が始まると、それを捕食するムカデやクモなども発生し易くなります。

目には見えないので普段は意識することはありませんが、様々な害虫たちが生息している床下・壁内・屋根裏などを覗くと、見てはいけない、ちょっとした真夏のホラー体験ができるかも知れません(笑)

記事一覧