変化する住宅

本日は白アリの予防工事をさせて頂くために焼津市内にあるお宅まで伺いました。

梅雨に入り本降りになるのではと思いましたが作業中は殆ど降ることもなく無事に作業を行うことが出来ました。

シロアリは地中から建物へと侵入してくるために、土壌に薬剤を散布してバリヤをつくります。

また万が一にバリヤを突破されても食害されないように床下内の土台や束などにも薬剤を処理していきます。

しかし、玄関やタイルの浴室などは床下がなく薬剤を散布できない場合は、必要に応じて写真のようにタイルに小さな穴をあけて壁内や土台などに薬剤を処理をします。

タイルの目地を使って穴をあけるので、その跡は殆ど目立つことは分かりませんが、少しでもタイルにドリルの刃が当たってしまうと割れてしまうので丁寧な作業が求められます。

最近の住宅はユニットバスが主流になり床下にも処理ができる構造になってきましたが、反面、断熱性能を上げるために壁内に断熱材が入っているために薬剤を注入できないなどの問題が出てきています。

一般的にシロアリの薬剤は環境汚染を避けるために5年を過ぎると分解されて効果が無くなってしまいます。

その為にシロアリから住宅を守るために、どうしても再処理の必要性がありますが、構造上再処理が出来ない建物が多くなってきているので、新築を依頼する時には10年後、20年後、30年後のシロアリ対策について、考えて設計してくれているのか確認することが大切です。

最近は断熱材に発泡ウレタンを使用する建設業者が多くいますが、シロアリ再処理が出来ないことや燃えると有毒ガスが出ること、雨漏りなどの不具合があった時には大変な費用が掛かってしまうこと、また、将来に解体するような時には外壁材や柱などにウレタンが付いて取れない為に処分費にも費用が掛かるなどの多くの問題があり、SDGS的にも逆行しているのではと思われる材料が使用されています。

因みに海外や日本の北海道などの寒い地域ではパルプから作られた環境にも優しいセルロースファイバー断熱材が主流だそうです。

日進月歩で住宅に求められる性能は変わってきています。

私たちも建築のプロとして、この先の住宅のあるべき姿そして、守り方をしっかりと学んでいきたいと思います。

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