壁内での雨漏りが危険

雨漏りをしたことでシロアリの被害にあったお客様宅で先日から浴室・洗面のリフォームをさせて頂いています。

壁を剥がしてみると断熱材が入っていて一見すると雨漏り跡などもなく問題は無さそうに見えましたが、断熱材を取ると外壁側のボードには水染み跡やカビの発生が見られ、断熱材もカビによって黒く変色していました。

入っていた断熱材は住宅で多く使用されている繊維系のグラスウールでしたが、濡れると断熱性能がなくなるだけでなく、水分が抜けにくいため壁内での結露やカビの発生を引き起こしてしまいます。

最近の断熱材はウレタン系などの水に強いものも使用されるようになりましたが、以前の住宅の殆どは繊維系の断熱材が使用されているため、雨漏りをすると壁内や屋根裏で気が付かないうちにカビが発生して構造上主要なや土台などを腐朽させてしまう恐れがあります。

多くの場合、雨漏りの原因となった部位を補修をすることで問題が解決をしたように思われがちですが、一旦水が壁内に入り込み断熱材が水を吸ってしまうと簡単には水分は抜けないので、しっかりと検査をしておくことが重要です。

先日も雨漏りを起こした比較的新しいお宅の調査をすると、内装はキレイで表面的には問題は見られませんでしたが、天井裏や床下、またサーモカメラで壁面を写してみると、壁内に水があることが確認できました。

気が付かずにそのままにしていれば、腐りが始まりシロアリの被害にあっていたかもしれません。

特に近年の住宅は高気密高断熱化が進んでいて、壁に入り込んだ水分は今まで以上に抜けにくい構造となっているので、雨漏りをしないように定期的なメンテナンスが重要です。

もし、雨漏りをしてしまったら、雨漏りを直すだけでなく壁内の状況をしっかりと確認してもらうことが大切です。

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