今の住宅は大丈夫?
本日は床下調査に行ってきました。
こちらのお宅は布基礎で土壌がコンクリートになっています。
床下がコンクリートだからシロアリやゴキブリなどの害虫は発生しないとというと決してそういうことはありません。
日が当たらず通気が取れずに湿気気味な害虫が好む環境であれば生息を始めてしまいます。
ゴキブリなどは越冬するため、冬場の寒さから身を守るために建物へと侵入してきます。
また、コンクリートは乾いているために床下内が乾燥しているように見えますが、通気がなければ害虫が生息するには十分な環境となっているので、基礎とコンクリートに僅かな隙間やひび割れなどからシロアリが侵入し被害に遭ってしまうこともあります。
予防の基本は通気を高めてあげることですが、床下内は複雑に基礎が入っているので、基礎に設けられた換気口や基礎パッキンでは十分な通気がとれません。
建物調査でよく見かけますが、通気口の前にプランターやエアコンの室外機、倉庫、給湯器などが置かれ、最低限の通気を遮ってしまっている家が多く見受けられます。
特に近年の住宅は断熱性能を高める目的で床下内に外気が入らないように造られているために、害虫にとって最適な環境を提供する形となってしまっているので、そんな建て方で本当に大丈夫なのかと、この先が心配になります。
以前には断熱性能を上げるために断熱材をむやみに入れたことで、壁内結露を起こして家が腐ってしまうという事件が多く発生したことがありましたが、カビなどの菌類やダニ、ゴキブリ、シロアリなどの生物は私たちと同じ環境を好んでいるので、性能ばかりに目がいっている建設業界には疑問が湧いてきます。
私が思う住宅に求められているのは、長寿社会だけに良好な状態で長く住み続けられることだと思っています。
ですから劣化対策やメンテナンス性の良い住宅が何より重要だと考えています。
既に住宅をお持ちの方は、この先修理やリフォームなどをすることになると思いますが、低価格を前面に出している会社ではなく、耐久性やメンテナンス性についてアドバイスをしてくれる会社を選択してもらえたらと思います。