新築工事トラブル

4月の始め、藤枝市内で新築注文住宅の工事中のお施主様より「現在、土台設置までの工程が完了しているが、基礎の仕上がりが悪く、アンカーボルトの位置がずれていたり、土台の継手の位置が悪かったりと、とても安心して工事を任せることが出来ないので工事中の工程検査をお願いしたい」と依頼があり、約3か月間かけて主に基礎や軸組などの構造部の検査、その他防水や断熱材、仕上がりの検査を計10回にわたって行いました。

基礎、土台の設置と進んでいた工事ですが、お客様との信頼関係が崩れてしまったことで全てを解体して更地に戻してからのやり直し工事となり施主様にしても施工会社にとっても相当な負担になったと思います。

通常は行政や保険会社の最低限の検査だけですが、今回は私たち第三者の住宅検査会社が入り、工程ごとの細部にわたった検査をすることもあり、緊張感が張り詰めとても引き締まった現場になったようです。

そうしたこともあり、本来なら見逃されそうな僅かなことにも注意をはらい、何かあっても直ぐに補修さらには改善点などの話し合いもできて、お施主様も安心して工事を任せることができると言って頂きました。

完成時の検査では、当初の不信感はなくなり施工会社とお施主様が笑顔で会話をされていて、引き渡しを楽しみにされている様子でした。

素晴らしい材料を使用し実績のある施工会社が工事をしても、工事の品質は構造や天候だけでなく職人さんの技術や質によって決まってしまい、そのために多くの建築トラブルが後を絶たないのが現状です。

一度、問題が起きてしまうと解決には何年もかかることも多くあり経済的にも精神的にも負担が大きく、何よりも日々の生活が台無しになってしまいます。

今回は、施工会社はやり直しや私たち第三者検査会社を入れることでかなりの負担がかかり大変だったと思いますが、トラブルは早期に解決し、お施主様との関係も良好になったので結果として良かったのではと思います。

多くの事象に出合って住宅の品質の確保を考えた時、契約時点で第三者の検査の可否について説明をすることが義務付けられるようになったら良いように感じています。

    

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