住宅診断の必要性

本日は、白アリが気になるから見て欲しいと焼津市の方から調査依頼があり伺ってきました。

白アリによる被害は確認できませんでしたが、幅2メートルにわたっての基礎が激しく割れているのが確認されました。

中の鉄筋が酸化して錆たことによって膨張し亀裂が発生してしまった様です。

ご主人は、白アリがいなかったことに安堵するどころじゃなく、基礎がこんなことになっていたことに大変なショックを受けていました。

基礎割れが起こる理由には色々とありますが、見た限りではコンクリート打設時の鉄筋かぶり厚さが足らないことで起こったことではと思います。

鉄筋は基礎に強度を持たせるために入れてありますが、鉄筋へのコンクリートのかぶり厚さは建築基準法で40mm以上と規定しています。

コンクリートはアルカリ性で鉄筋の酸化を保護する役割をしていますが、コンクリートは空気中の炭酸ガスを吸収して1年で0.5mmずつ中性化していくと言われているので、コンクリートの厚みが40mmだと約80年間は鉄筋を守っていることになります。

現時点ではこの程度ですが、全体的にかぶり厚さが足らないと考えられるので鉄筋の錆びやコンクリートの破壊はさらに全体へと進んでしまうことが考えられます。

これ以上、コンクリートの中性化や鉄筋の酸化が進まないよう早めに中性化を低減させる表面保護剤などの対策が必要です。

白ありのことを心配されての調査でしたが、基礎の亀裂の方が上回ってしまったようで相当なショック受けていました。

まさかと思う出来事ですが、新築の工程検査でも基礎のひび割れなどは良く確認されています。

また、今回のようなケースは完成してしまうと外観上見つけることは出来ないので、新築時に私たちのような建築施工業者でない第三者の工程検査を入れることが求められています。

皆さんのお家でも思わぬ被害が見つかるかもしれません。

一度、住宅診断を受けてみませんか?

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