東日本大震災から学ぶ

東日本震災より12年が経ちました。

震災時は、お寺の白アリ駆除の工事中でしたので、あの衝撃は今でも鮮明に覚えています。

普段人が入らないような床下や天井裏といった密閉された空間なだけに地震の揺れを他の人よりも感じやすいと思います。

建物を維持管理しして改善を仕事としているので、あの衝撃や教訓は忘れてはならず、そのことを活かす取り組みをしていかなければいけないと私自身は調査の際に意識するようにしています。

国が耐震化を推進して、現在では耐震性が不足しているとされる住宅は2018年であと700万戸となったそうです。

とはいってもこの耐震化で大丈夫という訳ではありません。

1981年以前に建てられた耐震性の低い住宅に改修工事の助成金を出して耐震改修を高めていますが、実際は2000年に建築基準法が改正されているので、2000年以前の住宅は安心という訳ではないのです。

私たちが建物点検をしていると、たまに耐震改修工事をされたという住宅に伺うことがあります。

しかし、見ると基礎のひび割れは放置されていたり、シロアリで土台がボソボソになっているのもそのままだったりするケースが良く見かけます。

殆どの場合、床下や屋根裏に入って診断をしないで、図面上で耐震補強計画を立てて工事をしているため、劣化事象を見逃し待っています。

阪神淡路大震災での倒壊した住宅の調査ではシロアリの被害や雨漏りなどの腐りによって倒壊した家が多かったと聞いています。

どんな強固な住宅を建てていても、劣化を招いてしまっては倒壊のリスクが高まります。

あの惨状を教訓として、倒壊のリスクを抑えるためにも定期点検で現状を知り劣化を起こさないことが大切です。

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