暖房器具を買う前に

床下の点検をしていると写真のような断熱材の脱落をよく見かけます。

このような状態では、せっかくの断熱材に期待する効果は全く得ることは出来ません。

近年の住宅には床、壁、天井に断熱材を入れることが一般的になっていますが、1999年(H11)の省エネ基準性能を満たしている住宅はわずか5%しかなく、無断熱の住宅は何と40%近くもあると言われています。

住宅を建てる時、デザインや機能性、また耐震性能などを重視し、断熱性能を意識する人は少なかったのではと思います。

しかし、2025年からの新築には断熱性能の等級4(H11)が義務化されることになりました。

それほどに、住宅にとって断熱性能は単に快適性だけでなく、光熱費の削減や健康などにも大きく重要な役割を持っていると言えます。

私の以前ん住んでいた家はこの時期になるとリビングのサッシはビショビショに濡れて、ありとあらゆるところから隙間風が吹いていました。

暖房が入っている部屋は良いのですが、廊下やトイレ、浴室などは凍てつくほど寒くとても長居ができるものではなく辛かったです。

冬はそういうもので、家は寒いものだからと家の中では毛布を掛けたり、ドテラを着て我慢をして過ごしていました。(今の人はドテラを知っているのかな?)

しかし、今の仕事をするようになり、家によって大きな違いがあることを知り、断熱材のあるなしがこんなにも差を生むにかとショックに近い驚きを感じたことを今も記憶にあります。

しかし、せっかく入れてある断熱材もこの写真の様に脱落していたり、施工不良で隙間だらけでは何の意味もありません。

今エネルギー問題などで光熱費が値上がりをし、イギリスでは倍以上の値上がりをして生活にかなりの負担になっていると聞きます。

断熱性能をあげることは、断熱=快適=省エネと光熱費の削減に直接的なメリットがあります。

太陽光発電もメリットがありますが耐用年数が10年と決して長くはないので費用対効果はあまり期待できません。

しかし、断熱材を入れたり、サッシを二重窓にするなどには耐用年数がないので一度改善してしまえば長期的に恩恵を受けることが出来ます。

また何よりも忘れてはならない大切なことは地球温暖化問題です。

先進国の豊かさのために排出されている温室効果ガスによって、後進国の多くの土地が水没したり、干ばつで作物が育てられなかったりと生きることさえままならない人々がいます。

これは遠い国の話ではなありません。

円安で私たちの生活も厳しい状況ですが、食料を他国に支えられているだけに、私たちが出来る行動をしていきたいものです。

冬直前、暖房器具を買う前に今一度ご自宅の断熱性能を確認してみませんか?

現在、こどもみらい住宅支援事業という補助金制度があります。

こどもみらい住宅支援事業のサイトはこちら

ヤシロは登録事業者ですので、申請手続き可能です。

断熱リフォームについては子育て世帯ではなくても対象になります。

国土交通省が推進している事業を上手に利用して、環境にも家計にも優しく快適な暮らしをしたいですね。

 

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