床下の環境改善
床下の調査をしていると、土壌が濡れる程の湿っていたりフカフカと絨毯のようにカビが生えている住宅があります。
最近の住宅はベタ基礎コンクリート造になったので、このような現象を見ることはなくなりました。
しかし、床下が濡れていたりカビが生える環境が異常なだけで、床下が良い環境になったという訳ではありません。
庭先の土や砂利の上にプランターを置くと、数日もしないうちにプランターの下にはナメクジやダンゴムシなどが集まり、土は湿っているという経験をしたことがあると思いますが、住宅は大きなプランターと同じで一年中日が当たらず空気の流れが悪い劣悪な環境には変わりはありません。
住宅は2003年に改正建築基準法によって、住宅の24時間換気システムの設置が義務付けられました。
二酸化炭素や水蒸気、臭気、チリやホコリ、絨毯や、カーテンなどからの揮発物質で汚染された空気を外へ排気して、室内に新鮮な空気を取り入れることが目的として設けられています。
これは、強制的に換気しなければ空気は淀んで汚れるということを意味します。
床下は通気を高めるために建物全周から空気が取り入れることが出来る基礎パッキン工法などが用いられていますが、強制的な換気を行わなければ空気が入れ替わるだけの流れはありません。
空気の流れ(気流)が起こることで湿った空気を排気して、乾いた空気を取り入れることが出来ることで、湿り気をなくすことが出来ます。
カビの発生する条件は栄養・湿度・温度・酸素ですが、風の流れを作ることで湿度を下がるためカビが発生しにくい環境を作ることが出来ます。
よく、薬品などを使ってカビ対策を行う業者がいますが、薬品が必要な時もあるとは思いますが大事なことは空気の流れを作ることなので、白カビとかがあるからとむやみに薬品に頼るのは危険です。
薬品を使用する場合は、有効期間や揮発性、毒性などしっかり確認してもらえたらと思います。
