住宅診断

焼津市-住宅に潜む危険事象

本日は焼津市のお客様宅の建物定期点検に伺ってきました。

外壁での塗装の劣化やひび割れ等はなく、床下においてもシロアリ発生や配管からの水漏れもなく気になる劣化事象はありませんでした。

しかし、建物を良好な状態で維持していくためには劣化事象だけを見るのではなく害虫・害獣の侵入・生息状況なども見ていくので、建築以外の専門知識と多くの経験が重要となってきます。

今日の点検では劣化による問題はありませんでしたが、床断熱がなく壁の断熱材も入っていない無断熱の住宅でした。

違法建築や劣化があるというわけではありませんが、近年の省エネ住宅と比べると断熱性能に大きな違いがあるので問題であると言えます。

25年4月から断熱性能は、その性能を等級で区分けされた等級4が義務化されます。

耐震性能もそうですが、現行の性能がない住宅は既存不適格住宅と言われてしまいます。

既存不適格物件とは新築当時の法律の下では合法的に建てられていた建物で、現在の法律に照らし合わせると基準を満たしていない建物のことを指します。

違法建築物ではないけど不適格な住宅というわけです。

不適格だからダメだという訳ではありませんが、断熱性能が低いため光熱費が高くなり快適な暮らしとは言えない住宅として見られてしまいます。

結果として不動産の価値も下がってしまうことも考えられます。

また、光熱費や不動産の価値は別としても断熱性能が低いと健康を害するという問題もあります。

若い時には気にならないことですが、高齢化社会の日本においてはヒートショック、熱中症で毎年多くの人が亡くなったり寝たきりになっている大きな問題だと言えるので決して見逃せない事象と言えます。

断熱性能の低さは住宅に潜む一番の危険事象です。

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